「IBについていけない」「もう無理かもしれない」。そう感じているあなたは、決して一人ではありません。
IBを経験した人なら、誰でも一度は壁にぶつかっています。IBTの講師も全員IB卒業生ですが、全員が「ついていけない」と感じた時期がありました。MYPからDPに進んだ途端に難易度が跳ね上がって戸惑った人、英語の壁に苦しんだ人、IAとEEとTOKが同時に襲ってきてパニックになった人。それでも全員IBを卒業しています。
この記事では、IBについていけないと感じる原因を整理した上で、IB卒業生のリアルな経験をもとに「どうやって乗り越えたのか」を具体的にお伝えします。保護者の方向けのサポート法もまとめているので、親子で読んでみてください。
IBについていけないと感じる主な原因5つ
まず、「ついていけない」と感じる原因を整理しましょう。原因がわかれば、対策も見えてきます。
1. 英語の壁
IBの授業は英語で行われることが多く、特に日本の一条校からIBに入った生徒や、インター歴が短い生徒にとって、英語での授業理解は大きなハードルです。授業の内容自体は理解できても、英語で書かれた教科書を読むスピードが追いつかない、エッセイを英語で書くのに時間がかかりすぎる、という悩みをよく聞きます。
先生の説明は聞き取れても、テストで求められる「英語で論理的に記述する力」が足りず、点数に結びつかないケースも少なくありません。
2. 科目数の多さ
DPでは6科目に加えてTOK、EE、CASという3つのコア要件があります。合計すると、同時に進めなければならないタスクの量が膨大です。高校生にとって、この「マルチタスクの嵐」は想像以上にきつい。
1つの科目に集中したくても、他の科目の課題や締め切りが次々にやってきます。「全部中途半端になっている気がする」という焦りが、さらにストレスを生みます。
3. IA・EE・TOKの同時進行
DP2年目になると、各科目のIA(Internal Assessment)に加えて、EE(Extended Essay)の執筆とTOK(Theory of Knowledge)のエッセイ・プレゼンテーションが重なります。これが最も多くのIB生を追い詰めるポイントです。
IAは科目ごとに求められるフォーマットや評価基準が異なり、EEは4,000語の論文、TOKは抽象的なテーマについて深く考える必要があります。どれから手をつければいいかわからなくなるのは当然です。
4. 時間管理の難しさ
IBでは「やるべきこと」のリストが常に長い状態が続きます。授業、復習、課題、IA、EE、CAS活動、そして自分の時間。すべてを両立するには、かなり高度な時間管理スキルが必要です。
しかし、高校生の段階でこのスキルが完璧にできる人はほとんどいません。計画を立てても実行できない、気づいたら締め切り前日になっている、ということが繰り返されます。
5. 孤独感
IBコースは少人数制のことが多く、同じ悩みを共有できる仲間が少ない場合があります。特に日本の一条校でIBコースに在籍している場合、一般コースの友人とは勉強内容やスケジュールが全く異なるため、「自分だけ大変な思いをしている」と感じやすくなります。
保護者もIBの仕組みを十分に理解していないケースが多く、「何がそんなに大変なの?」と言われてしまうと、余計に孤立感が深まります。
IB卒業生の実体験:「私もこう乗り越えた」
IBTの講師は全員IB卒業生です。ここでは、講師たちが実際に経験した「ついていけない」時期と、そこからどう立て直したのかを紹介します。
DP1年目の中間テストで現実を知った
ある講師は、MYP時代は成績上位だったのに、DPに入った途端にテストの点が大幅に下がりました。特にMath AA HLでは、MYPまでの「なんとなくの理解」が通用しなくなり、基礎からやり直す必要がありました。
「最初は本当にショックだった。でも、『わからないところがわかった』のが実は大きな一歩だった。そこから教科書を最初のページから読み直して、基礎を一つずつ潰していった」と振り返っています。
詳しくはこちらの記事も参考になります: IB数学で挫折しかけた私が成績を取り戻すまで
英語力の壁を「量」で突破した
別の講師は、日本語環境で育ったためDPの授業についていくのが大変でした。特にEnglish AのHL エッセイで苦労し、最初のドラフトでは先生から「論点が不明瞭」と指摘されました。
「とにかく英語で書く量を増やした。最初は下手でもいいから、毎日何かしら英語で書く習慣をつけた。TOKのジャーナルも英語で書くようにしたら、少しずつ書くスピードも論理の組み立て方も上達していった」とのこと。
IAとEEの同時進行をスケジュールで管理した
DP2年目にIAとEEが重なって完全にパンクした経験を持つ講師もいます。
「全部を同時にやろうとして、全部が中途半端になった。そこで先生に相談して、『今月はこのIAだけ集中する』と優先順位を明確にした。完璧を目指すのではなく、まず全部の提出物を『出せる状態』にすることを最優先にした」
このアプローチが功を奏し、最終的にはすべてのIAとEEを納得のいく形で提出できたそうです。
仲間と勉強グループを作った
孤独感に悩んでいた講師は、同じクラスの友人と少人数の勉強グループを作ることで状況が改善しました。
「一人で抱え込むのが一番よくなかった。友達と週1回でも集まって、お互いの進捗を共有するだけで気持ちが楽になった。わからないところを教え合うことで、自分の理解も深まった」
科目別の立て直し方
IBで成績が落ちたとき、やみくもに勉強時間を増やすのは逆効果です。科目の特性に合わせた立て直し方を紹介します。
Group 1(言語と文学)
エッセイの点数を上げるには、Mark Schemeを読み込むことが最優先です。「何を求められているか」を正確に理解してから書き始めましょう。過去のサンプルエッセイ(特にExaminer’s Reportで紹介されているもの)を読んで、高得点の答案がどう構成されているかを分析するのが効果的です。
Group 2(言語習得)
語彙力とリスニング力を同時に鍛えるには、日常的にターゲット言語に触れる時間を増やすことが大切です。ポッドキャストやニュース記事を使って、教科書以外のインプットを意識的に増やしましょう。
Group 3(個人と社会)
History、Economics、Business Management などは、「理解しているつもり」が最も危険な科目群です。Past Paperを解いて、実際にMark Schemeと照らし合わせることで、自分の回答に足りない要素が見えてきます。
Past Paperの活用法について詳しく知りたい方はこちら: IB Past Paperの使い方ガイド
Group 4(理科)
Physics、Chemistry、Biology、ESS などは、公式や用語の暗記だけでなく「なぜそうなるのか」の理解が求められます。教科書(またはKognity)を最初から読み直し、概念の繋がりを理解することが立て直しの第一歩です。IAでは実験デザインの質が評価に直結するので、ガイドラインを熟読しましょう。
Group 5(数学)
Math AAもMath AIも、基礎が抜けていると上の単元で必ず詰まります。成績が下がったら、恥ずかしがらずにMYPレベルの内容まで戻って復習することが大切です。問題を解く量を増やす前に、まず概念の理解を固めましょう。
Group 6(芸術)/ 選択科目
Visual ArtsやMusic、Theatre などの芸術科目では、Process Journal(制作過程の記録)が評価の大きな部分を占めます。作品の質だけでなく、「どう考えてその作品に至ったか」を丁寧に記録する習慣をつけましょう。
TOK・EE
TOKは「正解がない科目」なので戸惑いますが、逆に言えば「自分の考えを論理的に述べられれば点が取れる」科目でもあります。EEは早めにテーマを決めて、小さく書き始めることが成功の鍵です。完璧なアウトラインができてから書こうとすると、いつまでも書き始められません。
EEについて詳しくはこちら: EE(Extended Essay)完全ガイド
IAの全体像を知りたい方はこちら: IA(Internal Assessment)完全ガイド
保護者ができるサポート5つ
お子さんがIBで苦しんでいるとき、保護者の方はどうサポートすればいいのでしょうか。IBを経験した立場からお伝えしたいことがあります。
1. IBの仕組みを理解する
まず、IBがどういうプログラムなのかを知ることが大切です。6科目+TOK+EE+CASという構造、7段階評価、45点満点の仕組みを把握するだけでも、お子さんの状況を理解しやすくなります。
「なんでそんなに忙しいの?」ではなく、「今はどの科目のIAが大変?」と具体的に聞けるようになるだけで、お子さんの安心感は大きく変わります。
保護者向けの情報はこちらも参考になります: IB保護者向けガイド
2. 「結果」ではなく「プロセス」を認める
IBでは、どれだけ頑張っても思うような点数が取れないことがあります。「なんでこの点数なの?」と責めるのではなく、「毎日勉強しているのは知っているよ」とプロセスを認めることが、お子さんのモチベーション維持に繋がります。
3. 生活環境を整える
IBの勉強は長時間にわたることが多いので、集中できる勉強スペースの確保、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠時間の確保など、生活面でのサポートが重要です。特に試験前は、家庭の環境が勉強に大きく影響します。
4. 外部のサポートを検討する
学校の授業だけでは理解が追いつかない場合、IB専門の家庭教師を利用するのも有効な選択肢です。特にIBを経験した講師であれば、教科の内容だけでなく「IBの乗り越え方」自体をアドバイスできます。
一般的な塾ではIBのカリキュラムに対応していないことが多いので、IB専門のサポートを探すことをおすすめします。
5. お子さんの話を聞く
最もシンプルで最も大切なことです。アドバイスをする前に、まずお子さんの話を聞いてください。「何がつらいのか」「どこで困っているのか」を聞くだけで、お子さん自身が問題を整理できることもあります。
IBの経験がない保護者の方にとって、具体的な勉強のアドバイスは難しいかもしれません。でも、「聞いてくれる人がいる」という安心感は、どんなアドバイスよりも力になります。
1人で悩まないで
IBについていけないと感じたとき、一番やってはいけないのは「一人で抱え込むこと」です。
IBTでは、講師が全員IB卒業生だからこそ、生徒の悩みに寄り添えます。「この科目のここがわからない」という具体的な質問だけでなく、「IBが全体的にしんどい」「どう勉強すればいいかわからない」という相談にも対応しています。
無料体験授業では、今の悩みや状況をヒアリングした上で、あなたに合ったIB卒業生の講師がアドバイスします。まずは気軽に相談してみてください。
まとめ
IBについていけないと感じるのは、あなたが真剣にIBに取り組んでいる証拠です。IB卒業生の講師も全員、同じ壁にぶつかっています。
大切なのは、以下の3つです。
- 原因を特定する: 英語の壁なのか、時間管理なのか、特定の科目なのかを明確にする
- 一人で抱え込まない: 友人、先生、家庭教師、保護者など、誰かに相談する
- 完璧を目指さない: まず「提出できる状態」を作り、そこから質を上げていく
IBは確かに大変なプログラムです。でも、乗り越えた先には大きな成長と、世界中の大学への道が開けています。
今つらいと感じているなら、まずは誰かに相談することから始めてみてください。IBTの無料体験もその一つの選択肢です。IB卒業生の講師が、あなたの「ついていけない」を一緒に解決します。