「24点取れば自動的にDiplomaがもらえると思っていた」「TOKでEを取ったらDiplomaが出ないと聞いて慌てている」

IB Diplomaは「合計スコアだけでは合格できない」設計になっています。複数の独立した条件をすべてクリアして初めてDiplomaが授与されるため、合計24点を取りながら不認定(fail)となるケースが現実に発生しています。

この記事では、IBO(International Baccalaureate Organization)公式DP Passing Criteriaに基づき、Failing Conditionsの全項目と、24点取っても落ちる典型ケース、回避のための実践チェックリストを整理します。

目次

IB Diplomaの合格基準と8つの条件

IBO公式DP Passing Criteriaによれば、Diploma授与のためには以下の8つの条件をすべて満たす必要があります。

  1. 合計24点以上
  2. グレード1の科目が0(HL/SL問わず)
  3. グレード2の科目が2科目以下
  4. グレード3以下の科目が3科目以下
  5. HL3科目の合計が12点以上
  6. SL3科目の合計が9点以上(SL2科目の場合は5点以上)
  7. TOK・EEともにE評価ではない
  8. CAS要件の完了

この8条件のうち1つでも欠ければ、合計スコアがどれだけ高くてもDiplomaは授与されません。

条件1:合計24点以上

6科目(1〜7点満点)+ Bonus Points(最大3点)で合計24点が最低ラインです。Diploma Points Matrix上、Bonus Pointsを除いた科目スコアだけで24点を達成しているのが理想ですが、Bonus Pointsを含めて24点でも基準は満たします。

ただし、Bonus PointsはTOKとEEのグレードがCC以上で初めて加算されるため、CC以下の場合は科目スコアだけで24点を作る必要があります。

条件2:グレード1の科目が0

たった1科目でもグレード1(最低評価)が出ると、その時点でDiploma不認定です。これは最も明確で見落とされがちな条件です。

苦手科目で5や6を狙う必要はありませんが、**「2は守る」**が最低ラインの戦略です。グレード1が出てしまった場合、再受験(Retake)でその科目を改善する以外にDiploma取得の道はありません。

条件3:グレード2の科目は2科目以下

グレード2が3科目以上ある場合、不認定です。HL・SLを問わず合計でカウントされるため、「HLで2、SLで2、SLで2」と3科目で2が出ると即不認定です。

合計スコアが24点以上でも、グレード2が3つあるとDiploma不認定になる典型例です。

条件4:グレード3以下は3科目以下

グレード1・2・3の科目を合計して4科目以上ある場合、不認定です。

たとえば「HLで3、HLで3、SLで3、SLで3」と3が4科目あると、合計24点に到達していてもDiploma不認定です。

条件5:HL3科目で12点以上

HL3科目の合計が12点未満の場合、不認定です。HLは3科目選ぶのが標準ですが、HL4科目を取った場合は上位3科目の合計で判定されます。

HL3科目で12点というのは「平均4点」という、比較的緩やかな基準ですが、HL2科目で4以下を取ると一気に厳しくなります。

条件6:SL3科目で9点以上

SL3科目の合計が9点未満の場合、不認定です。「平均3点」の基準ですが、HL重視で勉強しすぎてSLを軽視すると、ここで足元をすくわれます。

なお、CPなどの特殊例を除いてDPは原則SL3科目を取りますが、SL2科目しか取らない場合は最低5点以上が必要です。

条件7:TOK・EEともにE以外

TOKとEEはそれぞれA〜Eの5段階で評価されます。いずれか一方でもE(Elementary)を取ると、Diploma自体が不認定となります。

Bonus Pointsは0点でもDDで止まりますが、Eに落ちると即Failing Conditionです。EEが提出期限に間に合わなかった場合(Not Submitted)も同様にDiploma不認定となります。

条件8:CAS要件の完了

CAS(Creativity, Activity, Service)の3要素について、7つのLearning Outcomesすべての達成、18ヶ月の関与、最低1ヶ月以上のCAS Projectの完了が求められます。

CASは点数評価がないため軽視されがちですが、未完了の場合はDiploma授与を阻む致命的な落とし穴です。CAS Coordinatorとの3回の面談・Portfolioへのリフレクション提出が滞ったまま試験期日を迎えると、Diplomaは授与されません。

24点でも落ちる典型ケース

合計24点以上を取っているのにDiploma不認定となる典型ケースを整理します。

ケース1:合計27点(HL:6/4/2、SL:5/4/3、Bonus:3) グレード2が1科目あるが、グレード3が3科目、合計4科目が3以下→条件4違反で不認定。

ケース2:合計24点(HL:5/4/3、SL:4/4/4、Bonus:0) HL3科目合計12点・SL3科目合計12点で条件5・6はクリアだが、合計24点ちょうどでBonus 0、TOKがE→条件7違反で不認定。

ケース3:合計28点(HL:6/5/4、SL:5/4/4、Bonus:0) 全条件クリアに見えるが、CAS Portfolioが期日までに提出されずLO6・LO7が未達→条件8違反で不認定。

ケース4:合計25点(HL:5/4/2、SL:5/4/3、Bonus:2) HL3科目合計11点→条件5違反で不認定。

これらは試験本番だけでなく、Year 12〜Year 13の過程で早期発見・早期修正が可能なリスクばかりです。

Failing Conditions回避チェックリスト

Diploma取得の確実性を上げるためのチェックリストです。

  • HL3科目すべてでグレード4以上を狙う(合計12点ライン)
  • SL3科目すべてでグレード3以上を狙う(合計9点ライン)
  • グレード2が出そうな科目を早期特定し、Mock試験までに対策
  • TOK・EEは最低でもCを目指す(Eを絶対に避ける)
  • EE提出期限の6ヶ月以上前にドラフトを完成させる
  • CAS Portfolioを定期的に更新(最低月1回のリフレクション)
  • CAS Coordinatorとの3回の面談を実施
  • CAS Projectを1ヶ月以上の継続活動として明確に組み立てる
  • Year 13の年明けにすべての条件達成見込みを確認

特にHL科目で苦手科目がある場合、Year 12のうちにIB卒業生講師などの個別指導を入れて補強しておくのが、不認定を回避する最も確実な方法です。

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