「Group 4 Projectって聞いたことあるけど、何のためにやるの?」「成績に入るの?やらなくても大丈夫?」

Group 4 Projectは、IB DPで自然科学(Group 4)を履修するすべての生徒が取り組む科目横断必修プロジェクトです。点数評価には直接含まれませんが、未実施だと一部の科目で評価が完了しないため、実質的に必須です。

この記事では、IBO(International Baccalaureate Organization)公式Group 4 subject guideに基づき、Group 4 Projectの目的、対象科目、3 stages、テーマ例、評価への影響を整理します。

目次

Group 4 Projectとは

Group 4 Projectは、IBO公式によれば「異なるGroup 4科目を履修する生徒が共通の科学的トピックに学際的に取り組む共同活動」と定義されています。

目的は次の3点です。

  • 学際的協働の経験:異なる科目(例:物理×生物、化学×ESS)の視点を組み合わせて課題に取り組む
  • 科学の限界と意義の理解:科学的方法論の力と、その射程外にある倫理・社会問題への気づき
  • チームワーク・計画力の育成:他者と役割分担し、限られた時間で成果物を仕上げるプロセス

完成品の質よりもプロセスを重視する課題で、成果物のクオリティではなく取り組み方が評価対象になります。

対象科目(Biology・Chemistry・Physics・ESS・Computer Science・Design Technology・SEHS)

Group 4 Projectには、Group 4の以下の科目を履修する生徒が参加します。

  • Biology(生物)
  • Chemistry(化学)
  • Physics(物理)
  • Environmental Systems and Societies(ESS)※Group 3/4横断
  • Computer Science
  • Design Technology
  • Sports, Exercise and Health Science(SEHS)

参加要件は「異なるGroup 4科目を履修する生徒が最低2科目分混ざっていること」。たとえばBiology生徒だけのチームは認められませんが、Biology + Chemistryのチームは要件を満たします。

ESSは Group 3/4 横断科目ですが、Group 4 Projectには参加可能です。Computer ScienceはGroup 4に位置付けられているため、コーディング・データサイエンスの観点から学際的に貢献できます。

10時間の時間配分

IBOの推奨時間は10時間で、これはDPの正規授業時間内に組み込まれます。10時間の標準的な配分例は次の通りです。

  • Planning(計画):2〜3時間。テーマ選定、グループ分け、アプローチの議論、役割分担
  • Action(実施):5〜6時間。実験・観察・調査・データ収集
  • Evaluation(評価):1〜2時間。発表準備、結果共有、リフレクション

10時間は連続して取る必要はなく、複数の授業時間や放課後の時間に分割して実施するケースが多いです。学校によっては「Group 4 Day」として丸1日を充てる例もあります。

3 stages:Planning・Action・Evaluation

Stage 1:Planning クラス全体(または学年全体)で共通テーマを決め、テーマに対して各Group 4科目がどんな視点を提供できるか議論します。次にグループ分けをし、各グループが具体的なリサーチクエスチョンと方法論を設計します。

Stage 2:Action 各グループが実際にデータ収集・実験・観察・調査を行います。グループ内では科目ごとに役割分担し、たとえば「水質汚染」というテーマなら、Chemistry担当は水中の重金属濃度測定、Biology担当は生物指標調査、Physics担当はpHセンサーの精度検証、というように分業します。

Stage 3:Evaluation グループごとに結果を発表し、他グループや他Group 4科目の視点を交換します。最後にリフレクションを書き、Internal Assessmentの一部として教師に提出します。

テーマの選び方

良いGroup 4 Projectのテーマは次の特徴を持ちます。

  • 複数のGroup 4視点が自然に絡む:単一科目に閉じるテーマだと学際性が出ない
  • データ収集が10時間内で実施可能:壮大すぎるテーマは時間切れになる
  • 学校・地域で実施可能なリソースで足りる:特殊な機器や遠隔地調査が必要なテーマは避ける
  • 倫理的な問題に踏み込める:科学の限界を議論する素材になる

学校でテーマが指定される場合もありますが、生徒が自主的に提案できる学校も多いです。

テーマ例(科学的問い・社会課題)

実際のIB Group 4 Projectで取り組まれているテーマの例を挙げます。

  • 学校近くの河川の水質調査:化学、生物、ESS、物理の4科目で水質・生物相・流速を分析
  • 校内の空気質と生徒の集中力:化学(CO2濃度)、生物(呼吸生理)、SEHS(運動能力)
  • 太陽光発電パネルの効率:物理、化学(電池)、Design Technology(設計)、ESS(環境影響)
  • 食品の保存期間と微生物:生物、化学、ESS(食品ロスの社会影響)
  • 学校の廃棄物リサイクル:化学、ESS、Design Technology、Computer Science(データ可視化)
  • 家庭の節水行動と効果:ESS、物理、Computer Science(センサーとデータログ)

社会課題と直結したテーマほど、学際的な議論が深まりやすく、CASやEEのテーマにも繋げられます。

評価への影響

IBO公式では、現行シラバスにおいてGroup 4 Projectは最終スコアに直接の点数寄与はありません。ただし、参加・実施は必須で、実施記録(リフレクション)が各科目のIA関連書類に含まれます。

Group 4 Projectが直接的にIA成績に組み込まれない一方で、次のような間接的な効果があります。

  • Personal Engagement(IA評価項目)の練習:Group 4 ProjectでのEvaluationが、IAでのPersonal Engagement criterionの良い練習になる
  • EEのテーマ発掘:Group 4 Projectで興味を持ったテーマがEEに発展するケースが多い
  • TOK・CASとの接続:科学の限界・社会的責任を考える機会となり、TOK Essay・CAS Project構想に役立つ

つまり「点数化されない」ことを理由に手を抜くのは大きな機会損失です。

成功のための実践Tips

10時間で意味のあるGroup 4 Projectに仕上げるためのTipsです。

  • 計画段階で40%の時間を使う:データ収集に走る前に、リサーチクエスチョンと方法論を綿密に詰める。
  • 役割を明文化する:各メンバーが「何を、いつまでに、どのように」担当するかをドキュメント化する。
  • データ管理を一元化する:Google SheetsやNotionなどで共有データベースを作る。後のリフレクションで参照しやすい。
  • 失敗・予想外を歓迎する:実験が予想通りに進まなくても、それ自体がGroup 4 Projectでは価値ある経験。リフレクションで深く扱う。
  • 倫理・社会的影響を意識する:科学的データだけでなく「この調査結果は誰に・どう影響するか」を必ず議論する。

リフレクションは「楽しかった」「協力できた」では足りません。自分が担当した科目視点と他科目視点の交点で何が見えたか、を具体的に書きます。

IBの勉強でお悩みですか?

IBTは、IB卒業生だけで構成されたIB専門の家庭教師サービスです。Group 4 Projectのテーマ選び、リサーチクエスチョンの設計、IAへの接続まで、Group 4科目を実体験した卒業生講師が個別にサポートします。まずは60分の無料体験からどうぞ。

💬 LINEで今すぐ相談する

📩 無料体験を申込む


関連記事


出典