IB最終試験の1ヶ月前。人生で一番緊張した期間だったかもしれません。
「あと30日で2年間の成果が決まる」。そのプレッシャーの中で、私がどう過ごしたかを正直に書きます。科目ごとの対策、メンタル管理、睡眠、息抜き、そして保護者の方に知っておいてほしいこと。これからIB試験を迎える人の参考になれば嬉しいです。
1ヶ月前の精神状態
一言で言うと「焦りと諦めの間」でした。やるべきことは山ほどあるのに、全部はこなせない。でも今さら新しいことを始めても遅い気もする。この「何をやるべきかわからない」状態が一番辛かった。
周りの友達も同じような状態で、教室の雰囲気がピリピリしていました。普段は冗談を言い合う仲間と、休み時間にノートを広げて黙々と勉強する。あの光景は今でも覚えています。
自分だけが焦っていると思いがちですが、みんな同じ状態です。これは普通のことだから、焦りに飲まれないでほしいと思います。
最初にやったこと: 現状分析と戦略策定
科目ごとの優先順位を決めた
6科目を均等にやる時間はありません。私は「伸びしろがある科目」と「落とせない科目」を整理するところから始めました。
ノートに6科目を書き出して、それぞれの現在の成績(Predicted Grade)、目標点数、そして「あと何をすれば1点上がるか」を書きました。
具体的には、すでにHL Englishで6が安定している科目は現状維持。HL Chemistryが4で不安だったので、ここに一番時間を割くことにしました。SL Mathは5で、Paper 1の計算ミスを減らせば6に届く見込みだったので、過去問で練習する方針に。
1点上げるのに必要な労力は、科目と現在の成績によって全然違います。4から5に上げる方が、6から7に上げるより効率が良いことが多い。この「費用対効果」の考え方が、限られた時間を最大限に活かす鍵でした。IBスコアの上げ方の記事にも、この考え方を詳しく書いています。
1ヶ月のスケジュールを作った
30日を4つのフェーズに分けました。
- 第1週(30-24日前): 弱点科目の集中復習。教科書を読み直し、理解が怪しい単元を洗い出す
- 第2週(23-17日前): 過去問をトピック別に解く。出題傾向を把握する
- 第3週(16-10日前): 過去問を年度ごとに本番形式で解く。時間配分を体に覚えさせる
- 第4週(9-1日前): 軽い復習とコンディション調整。新しいことはやらない
このスケジュールをA3の紙に書いて、机の前に貼りました。「今日は何をやるか」を毎朝迷わなくて済むようになったのが大きかったです。
科目別の対策
過去問を徹底的にやった
1ヶ月前からは、教科書を読む時間を減らして、過去問中心に切り替えました。IBの最終試験は出題パターンがある程度決まっているので、過去問を繰り返すのが一番効率的です。
年度ごとではなく、トピックごとに過去問を解く方法が効果的でした。例えば、Chemistry HLなら「有機化学の問題だけ5年分」をまとめてやる。そうすると、出題パターンや頻出テーマが見えてきます。「あ、エステル化反応はほぼ毎年出てるな」とか、「電気化学の計算はこのパターンが多いな」とか。
過去問の効果的な使い方の記事も参考にしてください。
時間を測って解く
本番は時間との戦いです。特にPaper 1は選択問題なのに時間が足りなくなることがある。1ヶ月前から、必ずタイマーを使って本番と同じ時間で解く練習をしました。
最初は時間内に終わらないことも多かったですが、2週目の後半くらいから、時間配分の感覚がつかめてきました。Paper 1は1問あたり何分、Paper 2は大問1つあたり何分、というペースを体で覚えるのが大事です。
Mark Schemeを読み込む
過去問を解いたら、必ずMark Scheme(採点基準)を確認しました。「何を書けば点がもらえるか」を知ることが、最終試験の得点力に直結します。
特にPaper 2やPaper 3の記述問題では、Mark Schemeに「この表現が含まれていれば1点」と書いてあることが多い。正しい概念を知っていても、採点者が求める書き方をしなければ点にならない。この「答え方のコツ」を過去問から学ぶことが、1ヶ月前の勉強で一番効果があったと思います。
Data Bookletを味方にする
Chemistry HLとPhysics SLでは、試験中にData Bookletが配られます。1ヶ月前の段階で、Data Bookletのどこに何が書いてあるかを把握しておくと、試験中に時間をロスしません。
私はData Bookletのコピーを印刷して、毎回の過去問演習で実際に使って練習しました。「あの公式はSection 1のp.3にある」と反射的にわかる状態にしておくのが理想です。Data Bookletの活用法にも詳しく書いています。
メンタル管理
「完璧」を手放す
1ヶ月前の時点で、全科目7を取るのは現実的じゃないと認めました。目標を「合計38点」に設定して、各科目の目標点数を決めました。HL English 6、HL Biology 6、HL Chemistry 5、SL Math 6、SL Japanese A 7、SL Economics 6、コア3点で合計39。現実的な目標があると、精神的にだいぶ楽になります。
「40点取らなきゃ」と漠然と考えるより、「Chemistry HLを5にするために、Organic Chemistryをあと10問解く」と具体的に考えた方が、行動に移しやすいし不安も減る。
SNSを制限した
InstagramとXのアプリを1ヶ月間削除しました。「みんな勉強してるのに自分は」という焦りの原因になるし、気づいたら30分経ってる、ということがなくなりました。
代わりに、友達とはLINEのグループだけで連絡を取り合いました。「今日何やった?」「明日一緒に図書館行かない?」くらいの短いやり取りに留めて、お互いの勉強時間を奪わないようにしました。
友達と話す時間は確保した
勉強漬けだと心が折れます。昼休みだけは友達と普通に話す時間にしました。試験の話は禁止。くだらない話をして笑う。この時間が、精神的な支えでした。
「今日の昼は勉強の話なしね」というルールを友達と決めて、お互いに守った。全然関係ない話をして笑い合う15分間が、午後の勉強のエネルギーになりました。
不安を書き出す
夜、布団に入ってから「Chemistryの有機化学が不安」「EEの点数が足りなかったらどうしよう」と頭の中がぐるぐるして眠れないことがありました。そういう時は、スマホのメモアプリに不安を全部書き出しました。
書き出すと、漠然とした不安が「具体的な課題リスト」に変わります。「有機化学が不安」は「エステル化反応の反応機構を復習する」というタスクになる。翌日やることが明確になると、不安が減って眠れるようになりました。
睡眠について
6時間睡眠を死守した
最初の1週間は深夜2時まで勉強していましたが、日中の集中力が明らかに落ちました。授業中に眠くなるし、過去問を解いてもケアレスミスが増える。3日目で「これは逆効果だ」と気づいて、途中から「0時に寝て6時に起きる」を徹底しました。
6時間睡眠は理想より少ないけど、これ以下にはしないと決めました。寝る前の1時間は新しい内容をやらず、その日やったことの軽い復習に充てると、睡眠中に記憶が定着しやすくなります。
試験直前3日間は勉強を減らす
試験直前の3日間は、逆に勉強量を減らして、睡眠をしっかり取りました。具体的には、各科目のノートを軽く見返す程度。新しい問題は一切解かない。コンディションを整える方が、直前に詰め込むより効果があります。
試験直前の過ごし方でも、同じことを書いていますが、これは本当に大事です。
息抜きの方法
完全に遊ぶのは罪悪感があるので、「短時間で確実にリフレッシュできること」を選びました。
- 30分の散歩(ポッドキャストを聴きながら。英語のポッドキャストを選べば、English Bのリスニング練習にもなる)
- 1日1話だけアニメを観る(1話25分と決めて、続きは翌日)
- 週末の夜だけ好きなものを食べに行く(友達と一緒に。勉強の話はしない)
- お風呂にゆっくり浸かる(15分。湯船の中で英単語のフラッシュカードを見ることもあった)
ポイントは「時間を決める」こと。「ちょっと休憩」が2時間になるのを防ぐために、タイマーを使って息抜き時間も管理しました。
保護者の方へ: 直前期のお子さんをどう支えるか
食事と生活環境を整える
この時期、お子さんにできる最大のサポートは「勉強以外のことを整えてあげる」ことです。栄養バランスの取れた食事、静かな勉強環境、清潔な寝具。「勉強しなさい」と言うよりも、夜食を作ってあげる方がずっと力になります。
成績の話は避ける
「模試は何点だった?」「志望校の条件は大丈夫?」。直前期にこの話題は、お子さんの不安を増幅させます。聞きたい気持ちはわかりますが、試験が終わるまでは成績の話を避けて、「体調は大丈夫?」「何か手伝えることある?」と声をかけてあげてください。
試験スケジュールを把握しておく
IBの最終試験は約3週間にわたって行われます。科目ごとに試験日が異なるので、お子さんのスケジュールを把握しておくと、「明日試験なんだ。今日は早めにご飯にしようか」といった配慮ができます。
試験を終えて
結果は、目標の38点を超えて40点。全科目で6以上を取ることができました。
振り返ると、1ヶ月前に「完璧を目指すのをやめた」のが一番大きかった。限られた時間で最大の成果を出す、という考え方に切り替えられたことが、結果につながったと思います。
まとめ
IB最終試験1ヶ月前の過ごし方のポイントをまとめます。
- 科目ごとの優先順位を決めて、「費用対効果」が高い科目に時間を集中する
- 過去問をトピック別に解いて出題パターンを掴み、Mark Schemeで「点の取り方」を学ぶ
- 時間を計って本番形式の練習をする。時間配分を体で覚える
- 完璧を目指さず、現実的な合計目標点を設定する
- SNSを制限して、勉強時間を確保する
- 6時間以上の睡眠を死守する。直前3日間は勉強量を減らす
- 短時間の息抜きを計画的に取り入れる
これからIB試験を迎えるみなさん。不安なのは当然です。でも、ここまでの2年間頑張ってきた自分を信じてください。正しい戦略と、適切な休息があれば、結果はついてきます。
IB試験対策、一人で悩んでいませんか?
IBTの講師は全員IB卒業生。同じ試験を乗り越えた経験者が、あなたの弱点に合わせた対策を1対1でサポートします。入会金0円・1回から受講OK。