「RPPFは3回合計で500字以内。1回目をどのくらい書くべきか、RQは明記するべきか、アドバイザーとの会話は書くのか」
IB Extended Essay(EE)のRPPFは、書き方のルールが先生によって微妙に異なることがあり、情報が錯綜しやすい書類です。ただしCriterion E「Engagement」は6点満点で、EE全体(34点満点)の**約18%**を占める重要な評価項目。ここを外すと EE全体の評価が大きく下がります。
この記事では、IB公式のEEガイドに基づいてRPPFの書き方を整理し、500字配分の戦略、各リフレクションで書くべき内容、Criterion E で失点しないポイントを解説します。
目次
- RPPFの基本仕様
- Criterion E「Engagement」とは何を評価するか
- 500字の配分戦略:なぜ3回目に字数を残すのか
- 第1回:Initial Reflection(100〜150字)の書き方
- 第2回:Interim Reflection(150〜200字)の書き方
- 第3回:Viva Voce / Final Reflection(200〜250字)の書き方
- RQ・テーマを明記すべきか
- アドバイザーミーティングへの言及ルール
- 失点する典型パターン
- IBの勉強でお悩みですか?
RPPFの基本仕様
RPPFは「Reflections on Planning and Progress Form」の略で、EEの提出時に本文と一緒に提出する公式フォームです。
基本ルール
- 3つのリフレクションに分かれている
- 合計の文字数上限:500 words(英語で書く場合)
- 日本語で書く場合も、IB側の解釈は原則「英文500語相当」で同様の制限が適用される
- 超過分は採点官が読まない(IB公式で明記)
- 3回それぞれの後にアドバイザーとの「リフレクションセッション」を行い、本人とアドバイザーの両者がサインする
- 1度提出してサインされたリフレクションは、後から変更できない
3つのリフレクション
- First(Initial)Reflection:EE開始直後、テーマ・RQの初期構想段階
- Interim Reflection:ファーストドラフト完成の前、執筆途中
- Final Reflection(Viva Voce):EE提出後、アドバイザーとの口頭試問(viva voce)の後
Criterion E「Engagement」とは何を評価するか
RPPFはCriterion E「Engagement」で採点されます。配点は6点満点、EE全体(34点満点)の約18%。
Criterion Eが評価する3つの観点
- Intellectual initiative(知的な自主性):自分でテーマを掘り下げ、問いを洗練させる能動性
- Creativity(創造性):オリジナルな視点・方法論・問いの立て方
- Engagement with planning and research process(計画と研究プロセスへの関与):調査をどう進めたか、壁にぶつかったときにどう対処したか、当初の計画をどう修正したか
Criterion E 6点(最高評価)のdescriptorでは、「Engagement with the process is thoroughly demonstrated(プロセスへの関与が徹底的に示されている)」という表現が使われます。
ポイントは「プロセスの描写」。完成した研究そのものは Criterion A〜D で評価されます。RPPFはあくまで過程でどう考えたか・どう動いたかを言語化する場です。
500字の配分戦略:なぜ3回目に字数を残すのか
先輩たちの失敗で最も多いのが、第1回・第2回に字数を使い切ってしまうケースです。第3回(Viva Voce後)のリフレクションは、研究全体を振り返る最重要回にもかかわらず、字数不足で薄い内容になってしまいます。
推奨配分
- 第1回:約100〜150字(全体の20〜30%)
- 第2回:約150〜200字(全体の30〜40%)
- 第3回:約200〜250字(全体の40〜50%)
なぜ第3回に多く残すのか
- 第3回はEE提出後の振り返り。実際に研究を終えた経験から言語化できる内容が最も豊富になる
- Criterion Eの「プロセスへの深い関与」を示すには、困難・修正・発見の具体例が必要。これらは終盤に集まる
- 1度提出・サインされたリフレクションは変更できないため、最初から完璧に書こうとしないことが重要
第1回:Initial Reflection(100〜150字)の書き方
タイミング:テーマとRQが固まり始めた初期段階、アドバイザーとの最初のリフレクションセッションの後
書くべき内容
- 選んだ教科とテーマの理由
- なぜこのテーマに関心を持ったか(個人的背景・読んだ文献・授業での気づき)
- 現時点でのRQ方向性(仮でOK、最終版と変わっても構わない)
- 研究方法の初期構想(文献研究・実験・アンケートなど)
- アドバイザーとの最初のミーティングで得たアドバイスまたは論点
書かなくてよいこと
- 完成した研究計画
- 確定した結論
- 網羅的な先行研究リスト
第2回:Interim Reflection(150〜200字)の書き方
タイミング:ファーストドラフトが完成する前、執筆の中盤
書くべき内容
- RQがどう洗練されたか、または変更されたか
- 直面した具体的な困難(データが足りない・予備実験が失敗した・文献の解釈が割れている等)
- その困難に対して自分がどう対処したか
- アドバイザーとの2回目のミーティングで得たアドバイス
- ここまでの進捗で気づいた新しい視点
書くポイント
- 「順調に進んでいます」で終わらせない。問題と対処のセットがCriterion Eの評価対象
- 「なぜその対処を選んだか」の意思決定プロセスを書く
- アドバイザーの助言をそのまま受け入れたのか、修正したのかを明示する
第3回:Viva Voce / Final Reflection(200〜250字)の書き方
タイミング:EE提出後、アドバイザーとの最後のミーティング(Viva Voce/口頭試問)の後
書くべき内容
- 研究全体を振り返っての気づき
- 当初の仮説・予想と実際の結果の差
- もし今もう一度やるとしたらどう変えるか
- この研究を通して得た知的スキル・視点
- 今後どう発展させられる可能性があるか
Criterion E 6点を狙う書き方
- 抽象的な「成長しました」で終わらせず、具体的な技能・視点の変化を書く
- 失敗や予想外の結果を隠さず、そこから何を学んだかを言語化する
- 先行研究との対話(自分の結論が既存の議論にどう位置づくか)に触れる
- 次の研究課題を1つ以上提示する
RQ・テーマを明記すべきか
チャットの議論で分かれる論点ですが、IB公式ではRQを明記する義務はありません。テーマ名は明記するほうが流れが読みやすくなりますが、RQの全文を第1回に書くと字数を使いすぎます。
推奨アプローチ
- 第1回:テーマ名は明記、RQは「初期の方向性として〜を考えている」程度の要約で十分
- 第2回:RQが洗練された結果を書くなら、変更点だけに絞る
- 第3回:最終的に採用したRQを書く場合は、なぜその形に落ち着いたかの判断基準を添える
アドバイザーミーティングへの言及ルール
第1回・第2回は、アドバイザーとのミーティング内容に必ず触れるのがCriterion Eで評価される書き方です。ただし「アドバイザーが〇〇と言った」と他人の言葉を引用するだけでは加点されません。
加点される書き方
- アドバイザーからの指摘を自分がどう受け止め、どう判断したかまで書く
- 「助言に従った」だけでなく「助言の一部は採用したが、〇〇の点では自分の考えを優先した」のような能動的な意思決定を示す
- ミーティング後に具体的に何を変えたか・何を始めたかのアクションを記載する
失点する典型パターン
パターン1:第1回を長く書きすぎて第3回で字数不足
最も多い失敗。第1回はサイン後変更できないため、早い段階で詳しく書く意味は薄いです。骨格だけ書いて提出するのが安全。
パターン2:プロセスではなく結果を書く
「〇〇が分かりました」「〇〇を結論として示しました」はCriterion A〜Dの領域。RPPFではどう考えたか・どう動いたかを書きます。
パターン3:困難を隠す
「順調でした」「問題はありませんでした」はCriterion Eで最低評価に近い印象を与えます。研究過程に困難は必ずあり、それを言語化できることが評価されます。
パターン4:アドバイザーの言葉の引用だけで終わる
「アドバイザーに〇〇と言われた」の列挙は、自分の主体性を示しません。自分がその助言をどう処理したかまで書くこと。
パターン5:500字を超えて提出
超過分は読まれません。文字数カウントをこまめに確認し、各回で上限を守ること。
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出典
- International Baccalaureate Organization (IBO)「Completing the RPPF」公式ガイド
- IBO Extended Essay Guide(Diploma Programme)
- IBO「Criterion E: Engagement」公式基準
- Writing Metier「What is IB Extended Essay RPPF? + Example Included」
- Sturgis Charter Public School LibGuides「Criterion E: Engagement」