「IBで医学部を目指せるの?」と不安に思っている方へ。結論から言えば、IBから医学部に合格することは十分可能です。ただし、一般入試とは異なる戦略が必要になります。
この記事では、IB生が医学部に合格するための科目選択・必要スコア・出願先・面接対策まで、具体的にガイドします。
IBから医学部は目指せる?
目指せます。国内では岡山大学・筑波大学・東北大学・横浜市立大学など、10校以上の大学がIB入試で医学部への出願を受け付けています。海外に目を向ければ、イギリス・オーストラリア・アイルランドなど、IBスコアで直接出願できる医学部が多数あります。
ただし、医学部はIB入試の中でも最もハイレベルな分野です。IBスコア38点以上が現実的な出発点であり、40点以上あれば選択肢が大きく広がります。
医学部受験に必要なIBスコア
国内大学の医学部
以下は、2025-2026年度にIB入試(国際バカロレア選抜)で医学部医学科への出願実績が確認できた大学です。
国公立大学:
| 大学名 | 出願条件(確認済み) | 備考 |
|---|---|---|
| 岡山大学 医学部医学科 | IBスコア39点以上、Biology/Chemistry/Physicsから2科目+Math履修 | 8月募集(3名)・10月募集(2名) |
| 筑波大学 医学群医学類 | IBディプロマ取得者、Mathematics AA HL必須 | 7月募集・10月募集 |
| 東北大学 医学部医学科 | IBスコア38点以上 | 国際バカロレア入試 |
| 横浜市立大学 医学部医学科 | 国際バカロレア特別選抜あり | 詳細は募集要項参照 |
| 東京科学大学(旧東京医科歯科大学)医学部 | 国際バカロレア入試あり | 詳細は募集要項参照 |
| 広島大学 医学部 | 国際バカロレア入試あり | 詳細は募集要項参照 |
| 鹿児島大学 医学部 | 国際バカロレア選抜あり | 詳細は募集要項参照 |
私立大学:
| 大学名 | 備考 |
|---|---|
| 愛知医科大学 | 国際バカロレア選抜あり |
| 兵庫医科大学 | 総合型選抜(国際バカロレア枠) |
| 順天堂大学 医学部 | IB入試あり |
| 関西医科大学 | IB入試あり |
| 国際医療福祉大学 | IB入試あり |
| 埼玉医科大学 | IB入試あり |
重要: 出願条件・募集人数・対象学科は年度ごとに変更される場合があります。出願前に必ず各大学の最新の募集要項をご確認ください。なお、慶應義塾大学のIB入試は法学部のみが対象で、医学部は含まれていません。金沢大学のIB入試も医学類は対象外です。
海外大学の医学部
| 国 | スコア目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| イギリス | 38-42+ | UCAT/BMAT必要。学部から直接医学部(5-6年) |
| オーストラリア | 36-40+ | UCAT必要。学部直接入学可能(5-6年) |
| アイルランド | 36-39+ | HPAT必要。留学生枠が充実 |
| カナダ | 36-40+ | 学部課程修了後に医学部(4年制が主流) |
| アメリカ | 36-40+ | Pre-Med(4年)→Medical School(4年)の8年コース |
イギリスとオーストラリアが注目すべきルートです。日本やアメリカでは大学院レベルで医学部に進むことが多いですが、イギリスとオーストラリアでは高校卒業後に直接医学部に入学できます(学部6年制)。
医学部受験に最適なIB科目選択
医学部を目指すなら、科目選択の段階から戦略が必要です。
必須レベルの科目
- Biology HL — ほぼ全ての医学部が要求。「必須」と考えてください
- Chemistry HL — Biology HLと並んで最重要。多くの大学が要求
強く推奨される科目
- Mathematics AA(Analysis and Approaches)HL — 特に国内医学部・イギリスの難関医学部で評価が高い
- Mathematics AA SL — HLが厳しい場合の最低ライン(一部の大学はSLでも可)
推奨される科目構成の例
パターン1(理系特化型)
- HL: Biology, Chemistry, Mathematics AA
- SL: English B, Japanese A, Physics or Economics
パターン2(バランス型)
- HL: Biology, Chemistry, English A or Japanese A
- SL: Mathematics AA, Physics, もう1科目
パターン1の方が医学部受験では有利ですが、Math AA HLは難易度が高いため、自分の得意科目とのバランスも重要です。
避けるべき選択
- Biology SL + Chemistry SL — 多くの医学部で出願要件を満たさない
- Mathematics AI(Applications and Interpretation) — 一部の大学で受け付けていない
- 理系科目をHLで1つしか取らない — 医学部出願の選択肢が大幅に狭まる
国内医学部のIB入試対策
書類審査
IBスコア(Predicted GradeまたはFinal Score)に加えて、以下が評価されます。
- 志望理由書 — 「なぜ医師になりたいか」「なぜこの大学か」を明確に
- CAS活動 — 医療系ボランティアや病院見学の経験があると強い
- EE(課題論文) — 生物学や医療関連のテーマで書いていると加点材料に
面接対策
医学部の面接は他学部より厳しいです。よく聞かれるテーマは以下の通りです。
- 医師を志望する理由
- 医療倫理に関する質問(臓器移植、安楽死、AI診断など)
- チーム医療への理解
- 地域医療への関心(地方の大学で特に重要)
- IBで学んだことをどう医療に活かすか
IBの経験は面接で大きなアドバンテージになります。TOKで学んだ倫理的思考、CASでのボランティア経験、EEでの研究経験は、すべて面接で活かせる材料です。
小論文対策
医療系のテーマ(生命倫理、公衆衛生、医療格差など)について、論理的に意見を述べる練習をしておきましょう。IBの TOKエッセイやEEで培った論述力がそのまま役立ちます。
海外医学部という選択肢
イギリスの医学部
イギリスは高校卒業後に直接医学部に入学できる数少ない国の一つです。
- 出願方法: UCAS(最大4校まで医学部に出願可能)
- 追加試験: UCAT(University Clinical Aptitude Test)またはBMAT
- 面接: MMI(Multiple Mini Interview)形式が主流
- 期間: 5年または6年(Foundation Year含む)
- IBスコア目安: 38-42+(大学により異なる)
主な対象大学: Imperial College London, UCL, King’s College London, Edinburgh, Manchester, Bristol など
オーストラリアの医学部
オーストラリアも学部直接入学が可能で、留学生の受け入れに積極的です。
- 追加試験: UCAT ANZ
- 面接: MMI形式
- 期間: 5-6年
- IBスコア目安: 36-40+
- 費用: 年間300-500万円程度(留学生)
主な対象大学: University of Melbourne, University of Sydney, Monash University, UNSW など
アメリカの医学部ルート
アメリカでは直接医学部に入学できません。Pre-Med(学部4年)を経てMedical School(4年)に進む8年コースが標準です。
IBの高スコアがあれば、Pre-Med期間で単位免除を受けて効率的に進むことができます。
IB生が医学部合格のためにやるべきこと
Year 1(DP1年目)
- Biology HL, Chemistry HLでしっかり基礎固め
- CASで医療関連の活動を開始(病院ボランティア、医療NPO参加など)
- EEのテーマを生物学・医学系で検討開始
- 海外志望の場合はUCAT/BMATの情報収集
Year 2(DP2年目)
- IA(Internal Assessment)で高得点を狙う — 最終スコアの20-25%を占める
- UCAT/BMATの受験(海外志望の場合)
- 志望理由書の作成開始
- 面接練習の開始(模擬面接を複数回)
- Predicted Gradeの確認と志望校の最終決定
最終試験後
- 国内IB入試の出願
- 面接・小論文の最終準備
- 一般入試との併願戦略の実行
まとめ
- IBから医学部合格は十分に可能
- IBスコア38点以上が現実的な目標
- Biology HL + Chemistry HLは必須級
- 国内は岡山大・筑波大・金沢大など複数の選択肢がある
- イギリス・オーストラリアは学部直接入学が可能で有力な選択肢
- CAS・EEを医療関連で取り組むと面接で強い
- 科目選択の段階から戦略的に準備することが重要
IBスコア別の進学先はIBスコア別・行ける大学完全ガイド、大学ごとの情報はIB大学ガイドをご覧ください。
医学部を目指すIB生へ
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