大学概要
武蔵野美術大学(通称ムサビ)は、1929年に前身である「帝国美術学校」として創立された、日本を代表する美術系総合大学です。造形学部と造形構想学部の2学部体制で、ファインアート(日本画・油絵・彫刻)、デザイン(視覚伝達・工芸工業・空間演出・基礎・デザイン情報)、建築、映像、芸術文化、クリエイティブイノベーションまで、幅広い造形分野の教育・研究を展開しています。
キャンパスは東京都小平市小川町の鷹の台キャンパスと、都心にある新宿区市谷田町の市ヶ谷キャンパスの2拠点構成。鷹の台キャンパスは広大な敷地にアトリエ・工房・スタジオ・美術館が点在する「つくる」ための環境、市ヶ谷キャンパスは造形構想学部クリエイティブイノベーション学科の3〜4年次や大学院の一部が使う都心拠点です。IBでVisual Arts・Film・Design Technologyなどを学び、「アート/デザインの力で社会や人の暮らしに関わりたい」と考えるIB生にとって、美術・デザインの専門性をプロレベルで伸ばせる日本屈指の進学先です。
IB入試の仕組み
武蔵野美術大学には、IBディプロマ単体を直接の出願要件とする総合型選抜は設けられていません。IB生が活用する主な入試区分は帰国生特別入学試験です。
帰国生特別入学試験(IBディプロマ活用可)
帰国生特別入学試験は、日本国籍または永住者等であって、海外の高校で一定期間以上の教育を受けた者を対象とする区分です。国際バカロレア(IB)ディプロマ、アビトゥア、バカロレア(仏)、ヨーロピアンバカロレア、GCE Aレベル等の国際資格の保持者(または取得見込者)は、修業年数要件に代えてこれらの資格で出願することができます。
- 対象学部・学科: 造形学部(全学科)および造形構想学部映像学科
- 注意: 造形構想学部クリエイティブイノベーション学科は、現時点で帰国生特別入学試験の対象外(2025年度要項時点)
- 2025年度実績: 出願期間 2025年10月29日〜11月5日/試験日 2025年12月21〜23日
- 選考内容: 書類審査+学科により実技試験・小論文・面接(詳細は学科ごとに異なるため、必ず最新要項を確認してください)
一般選抜・外国人留学生特別入学試験・総合型選抜
IB生でも、学力・実技に自信がある場合は一般選抜、外国籍であれば外国人留学生特別入学試験、特定の学科では総合型選抜での受験も選択肢になります。これらの区分ではIBスコアが直接の出願資格になるわけではありませんが、出願書類の一部としてIBの成績証明書・ディプロマを補足的に提出することが可能な場合があります(要学科確認)。
美大入試の特徴:実技・ポートフォリオ
ムサビをはじめとする美術大学の入試では、学科試験・書類審査に加えて実技試験や作品(ポートフォリオ)審査が課される学科が多いのが最大の特徴です。
- ファインアート系(日本画・油絵・彫刻): 鉛筆デッサンや油彩・平面表現などの実技が課されることが多い
- デザイン系(視覚伝達・工芸工業・空間演出・基礎): デッサン+デザイン課題(発想・構成・色彩)
- 建築学科: デッサンに加え空間構成・図面表現
- 映像学科(造形構想学部): 作品提出・映像表現に関するプレゼンテーション
- 芸術文化学科・デザイン情報学科: 小論文や面接の比重が高い傾向
帰国生特別入学試験においても、学科により実技・作品審査・面接が組み合わされます。IBのVisual Arts HLで取り組んだ作品、Exhibition、Process Portfolioは、ムサビ入試のポートフォリオ審査と非常に親和性が高く、そのまま出願書類の核として活用できます。Film HLの映像作品は造形構想学部映像学科の出願で強力なアピール材料になります。
スコア目安(参考)
IBスコアは入学可否の唯一の基準ではありませんが、書類審査の参考として24〜30点以上を確保しておくと他の受験生との比較で安心材料になります。実技・ポートフォリオの完成度が同等以上に重視される点はお忘れなく。
出願プロセス
武蔵野美術大学は独自の出願システムで受け付けています。IB生が帰国生特別入学試験で出願する場合の一般的な流れは以下のとおりです。
- 志望学科の決定 — 造形学部11学科+造形構想学部映像学科の中から選ぶ
- 出願要項の入手 — 公式サイトから最新の帰国生特別入学試験要項PDFをダウンロード
- 出願書類の準備
- 入学志願書
- IB成績証明書・ディプロマ(取得見込証明書)
- 海外高校の成績証明書・卒業(見込)証明書
- 志望理由書・自己推薦書(学科により)
- ポートフォリオ/作品提出(多くの学科で必須)
- 日本語能力を示す書類(必要に応じて)
- 出願(10月下旬〜11月上旬)
- 試験(12月下旬) — 学科により実技・小論文・面接
- 合格発表・入学手続き
出願書類・選考内容・提出作品の仕様は学科ごとに細かく指定されます。必ず志望学科の最新要項を公式サイトで確認してください。
学費と奨学金
2025年度学費(学部・公式)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金(一般受験生) | 300,000円 |
| 授業料(半期) | 605,000円(年間1,210,000円) |
| 維持費(半期) | 19,000円(年間38,000円) |
| 施設設備費(半期) | 190,000〜205,000円(学科により変動) |
| 初年度納付金概算 | 約1,928,000〜1,958,000円 |
- 入学金は一般受験生の金額(帰国生特別入学試験の金額は要項で確認)
- 2年次以降は入学金を除いた金額
- 2025年度以降の外国人留学生には「環境支援費」が別途加算されます
- 上記金額は公式サイト「学費」ページの記載に基づきます(2025年度時点)
生活費(目安)
| 項目 | 月額目安 |
|---|---|
| 家賃(小平市周辺ワンルーム) | 5〜7万円 |
| 食費・光熱費・通信費 | 5〜7万円 |
| 画材・道具・課題制作費 | 学科により月1〜5万円(ファインアート系は高め) |
美大特有の出費として画材・制作費が毎月かかる点は事前に織り込んでおきましょう。
奨学金制度
武蔵野美術大学は大学独自の給付型・貸与型奨学金を複数用意しています。
- 大学独自の給付型奨学金 — 学業成績・人物・経済状況を基準に選考
- 緊急支援奨学金 — 失業・家族の死別・災害等で急な経済的困難に陥った学生向け
- 留学生向け支援 — 国際学生の経済的負担軽減を目的とした奨学金
- 多子世帯向け学費減免
- 卒業生・大学院生向けの海外研究支援
- JASSO(日本学生支援機構)奨学金 — 併用可能
奨学金ごとに応募時期・要件が異なるため、在学決定後に学生課で個別相談するのが確実です。
キャンパス・学生生活
鷹の台キャンパス(東京都小平市小川町1-736)
西武国分寺線「鷹の台駅」から徒歩圏内、広大な敷地にアトリエ・工房・スタジオ・図書館・美術館が点在する、まさに「つくるための環境」です。藤本壮介氏による武蔵野美術大学美術館・図書館(旧:芦原義信設計の美術館を継承する建築群)は建築ファンの巡礼地としても知られています。緑豊かな環境で、学生は朝から夜遅くまで制作に没頭できる雰囲気があります。
市ヶ谷キャンパス(東京都新宿区市谷田町1-4)
造形構想学部クリエイティブイノベーション学科の3〜4年次や一部大学院プログラムが利用する都心キャンパス。企業・自治体との連携プロジェクトを進めるうえでの立地的アドバンテージがあります。
学生生活の特徴
- 制作中心の生活リズム — 課題・作品制作で深夜まで工房にいるのが日常
- 学園祭「芸術祭」 — 日本最大級の美大学園祭として知られ、学科ごとの作品展示・パフォーマンスは見応え十分
- 多様なバックグラウンド — 海外経験のある学生・留学生・社会人学生も在籍
卒業後のキャリア
武蔵野美術大学の卒業生は、以下のような多彩な分野で活躍しています。
- デザイナー — グラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、UX/UIデザイナー、パッケージデザイナー
- 建築家 — アトリエ系建築設計事務所、組織設計事務所、ゼネコン設計部門
- 映像・アニメーション — 映画・CM・MV監督、アニメーション作家、映像クリエイター
- 広告・クリエイティブ — 広告代理店のクリエイティブ職、アートディレクター、クリエイティブディレクター
- ファインアーティスト — 画家、彫刻家、現代美術作家、ギャラリー所属アーティスト
- クラフト/工芸 — 陶芸家、テキスタイルデザイナー、家具デザイナー
- 企業総合職・自治体職員 — 特にクリエイティブイノベーション学科はデザイン職に限らず幅広い進路
美術・デザイン業界へのネットワークは国内トップクラスで、在学中からプロの現場と接点を持てるのもムサビの強みです。
日本人IB生へのアドバイス
IB Visual Arts HLの成果物は、そのままムサビ入試のポートフォリオの核になります。 IB Visual Arts HLでは Comparative Study、Process Portfolio、Exhibition の3領域を通じて「作品の意図・制作プロセス・自作品の批評」を言語化する訓練を積みます。これはムサビのファインアート系・デザイン系学科が書類審査・面接で見たい力そのものです。Exhibitionで展示した作品、Process Portfolioで記録した試行錯誤のページは、出願ポートフォリオに組み替えて提出できます。
Film HLは造形構想学部映像学科と相性抜群。 IB Film HLで制作した短編・ドキュメンタリーは、映像学科の作品審査でそのまま武器になります。制作プロセスを記録したジャーナルや、作品の意図を言語化したコメンタリーも併せて準備しておきましょう。
Design Technology HL/建築志望者への示唆。 建築学科志望者は、Design Technology HLで学んだデザインプロセス(リサーチ→アイデア→プロトタイプ→評価)の思考を、出願書類の志望理由書でアピールするとIBらしい強みが伝わります。実技対策としてのデッサン・空間構成のトレーニングは別途必要です。
日本語力は必須。 出願書類・面接・実技指導は原則日本語で行われます。海外在住の長いIB生は、早い段階から日本語での作品講評・志望理由書の執筆練習を始めておきましょう。
美大受験は実技対策に時間がかかる。 IBのHL課題と並行して美大実技(デッサン・色彩構成)の対策を進める必要があるため、高1〜高2から計画的に美術予備校・オンライン講座・個別指導などを併用するのが現実的です。IB Visual Arts HLの授業だけでは日本の美大実技試験の出題傾向をカバーしきれない場合がある点に注意してください。
IBTからのアドバイス
武蔵野美術大学を目指すIB生にとって鍵となるのは、①IBディプロマスコア(目安24〜30点以上)②Visual Arts/Film/Design Technology HLの作品ポートフォリオの完成度③日本語での志望理由書・面接対策④美大特有の実技(デッサン・構成)対策の4点です。IBとの時間配分が悩みどころになるので、早めの戦略設計が合否を分けます。
IBTのIB卒業生講師は、Visual Arts HLのExhibition/Process Portfolio添削、Film HLの作品講評、Design Technology HLのデザインプロセスの言語化、日本語での志望理由書ブラッシュアップなど、ムサビ受験に直結するサポートができます。美術予備校と併用しながら、IB側の成果物を最大限出願に活かす戦略を一緒に組みましょう。まずは60分無料体験で、現在の作品・IB進捗・志望学科をもとに合格までのロードマップを相談してみてください🩷
※ 最新の学費・入試要件・出願スケジュール・提出作品の仕様は、必ず武蔵野美術大学公式サイトの入試情報ページで確認してください。本ページの情報は2025年度要項・公式サイト掲載情報を参照して作成していますが、年度により変更される場合があります。
UNIVERSITY INFO
- 国 / 都市
- 🇯🇵 日本・小平市(鷹の台)/新宿区(市ヶ谷)
- QS世界ランク
- #1001
- IBスコア目安
- 24-34+点
- 入試タイプ
- 帰国生特別入学試験(国際バカロレア資格活用)
- 出願システム
- 武蔵野美術大学独自出願(帰国生特別入学試験)
- 出願締切
- 帰国生特別入学試験:例年10月下旬〜11月上旬出願、12月下旬試験(2025年度実績:出願2025/10/29〜11/5、試験2025/12/21〜23)
- 語学要件
- 日本語中心(出願書類・面接・試験は原則日本語)
- 学費目安
- 初年度約1,928,000〜1,958,000円(入学金30万円+授業料121万円+維持費・施設費等・学科により変動/2025年度公式)
- 奨学金
- あり
- HL科目要件
- 造形学部:Visual Arts HL/Design Technology HL推奨造形構想学部映像学科:Visual Arts HL/Film HL推奨建築学科:Visual Arts HLに加えMath SL以上推奨
- 注目プログラム
- 造形学部:日本画学科/油絵学科(油絵専攻・グラフィックアーツ専攻)/彫刻学科/視覚伝達デザイン学科/工芸工業デザイン学科/空間演出デザイン学科/建築学科/基礎デザイン学科/芸術文化学科/デザイン情報学科造形構想学部:クリエイティブイノベーション学科/映像学科
IBTの特徴
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