「EEのテーマ、どうやって決めればいいの?」——お子さまがこの問いに頭を抱えているのを見て、保護者として何もしてあげられないもどかしさを感じていませんか?
Extended Essay(EE)は、IBディプロマプログラム(DP)のなかでも特に自由度が高い課題です。だからこそ「自由すぎて何から手をつければいいかわからない」という声をよくいただきます。
実は、EEで苦しむ生徒の多くは内容の難しさではなく、テーマ選びの段階でつまずいています。スタートを誤ると、後から修正するのがとても大変になってしまうんですよね。
この記事では、EEの書き方の基本から、テーマ選びで失敗しないための具体的なポイントまで、IB経験者の視点からわかりやすくお伝えします。
目次
- そもそもExtended Essay(EE)とは?- テーマ選びで失敗するパターン3つ❶ リサーチクエスチョンが広すぎる- ❷ 参考文献が集めにくいテーマを選んでしまう- ❸ 「得意科目=EEの科目」と思い込んでいる- 失敗しないテーマの選び方:3つのステップSTEP 1:「問い」から入る- STEP 2:「狭く・深く」を意識してスコープを絞る- STEP 3:スーパーバイザーと早めにすり合わせる- EEの「書き方」の基本構成- IB家庭教師に相談するのはどんな場面?- まとめ:EEはテーマ選びで8割決まる
そもそもExtended Essay(EE)とは?
まず簡単に確認しておきましょう。EEはIBディプロマの必修要件のひとつで、生徒が自分で研究テーマを設定し、4,000字(英語の場合)の学術論文を書き上げる課題です。
- 提出期限:DP2年目の前半〜中盤ごろ(学校によって異なる)
- 評価:TOK(Theory of Knowledge)と合わせて最大3ポイントがディプロマ総点に加算される
- 対象科目:物理・歴史・英語・経済など、30以上の科目から選択可能
点数配分だけ見ると「たった3点」と思われるかもしれません。でも実際には、45点満点のうち3点は大学合否を左右するほどの重みを持つことがあります。それ以上に、EEのプロセス自体がIBの集大成とも言える貴重な経験です。
テーマ選びで失敗するパターン3つ
EEの指導をしていると、テーマ選びの段階でよく見かける「失敗パターン」があります。お子さまが当てはまっていないか、一緒に確認してみてください。
❶ リサーチクエスチョンが広すぎる
「気候変動が世界経済に与える影響」——一見しっかりしたテーマに見えますが、これは4,000字で論じるには広すぎます。EEは深さを見せる論文です。広いテーマを浅く論じても高評価は得られません。
良い例:「2010〜2020年のドイツにおける再生可能エネルギー政策が中小企業の電力コストに与えた影響」のように、時期・地域・対象を絞った具体的なクエスチョンにすることが大切です。
❷ 参考文献が集めにくいテーマを選んでしまう
「面白そう!」と思ってテーマを決めたものの、信頼できる一次資料・二次資料がほとんど見つからない……というケースは意外と多いです。特に最新すぎるトピックや日本語文献しか存在しないテーマは要注意です。
テーマを決める前に、Google ScholarやJSTORで関連論文が一定数存在するか必ず確認しましょう。
❸ 「得意科目=EEの科目」と思い込んでいる
テストで点が取れる科目と、4,000字の論文を書ける科目は必ずしも一致しません。EEで求められるのは議論を構築する力です。「好きで深掘りできる」「疑問を持ち続けられる」テーマかどうかを最優先に考えましょう。
失敗しないテーマの選び方:3つのステップ
STEP 1:「問い」から入る
テーマではなく**「問い」から出発する**のがEE成功の鍵です。「〜について書きたい」ではなく「〜はなぜ/どのように〜なのか?」という形で考えてみましょう。
✅「第二次世界大戦の原因について」(×テーマ)
✅「ヒトラーの演説技術は、1933年の政権掌握においてどの程度決定的な役割を果たしたか?」(◎問い)
問いが明確だと、何を調べ、何を論じるべきかが自然と見えてきます。
STEP 2:「狭く・深く」を意識してスコープを絞る
良い問いができたら、さらに時間・場所・対象・条件を絞って精度を上げましょう。「絞りすぎでは?」と感じるくらいが、ちょうどいいことがほとんどです。
4,000字というのは、日本語換算で約8,000字相当。聞くと多いようですが、複数の根拠と反論への対応まで含めると、むしろ「狭いテーマ」のほうが書きやすいです。
STEP 3:スーパーバイザーと早めにすり合わせる
テーマが固まったら、学校のスーパーバイザー(担当教員)に早めに相談しましょう。特に以下の点を確認すると安心です。
- このクエスチョンはEEとして適切なスコープか?
- 該当科目の評価基準に沿っているか?
- 入手できる資料で論証が可能か?
スーパーバイザーとのコミュニケーションは、EEの評価に直接影響します。積極的に活用することをおすすめします。
EEの「書き方」の基本構成
テーマが決まったら、次は実際に書き進める段階です。EEの基本的な構成は以下のとおりです。
セクション 目安の分量 役割
イントロダクション 約300〜400字 リサーチクエスチョンと研究の背景を示す
本論 約2,800〜3,000字 根拠・分析・反論への対応
結論 約200〜300字 クエスチョンへの明確な答えと今後の課題
参考文献リスト 字数カウント外 IBの引用スタイルに従って記載
書き方の最大のポイントは「クエスチョンに正面から答えること」。途中で議論が脱線してしまうケースが多いので、段落ごとに「これはリサーチクエスチョンに関係しているか?」と確認しながら書き進めると良いですよ。
IB家庭教師に相談するのはどんな場面?
EEは基本的に生徒が主体となって進める課題です。ただ、こんな場面では外部サポートが大きな助けになります。
- テーマがなかなか絞れず、時間だけが過ぎていく
- アウトラインを作ったものの、論理の流れに自信がない
- 英語での学術的な文章表現(アカデミックライティング)が不安
- スーパーバイザーへの相談がうまくできていない
IB経験者の家庭教師であれば、「自分がEEを書いたときにどこで詰まったか」「どう乗り越えたか」というリアルな経験を共有しながらサポートできます。教科書には書いていない、経験者ならではの視点って、意外と大きな差を生むんですよね。
まとめ:EEはテーマ選びで8割決まる
EEで苦しんでいるお子さまを見て、焦りを感じている保護者の方も多いと思います。でも、大丈夫です。
EEは正しいステップを踏めば、必ず書き切れる課題です。そして、テーマ選びに時間をかけることが「回り道」ではなく、最大の近道になります。
- 「問い」から出発する
- スコープを思い切って絞る
- スーパーバイザーと早めに連携する
この3つを意識するだけで、EEへの向き合い方がかなり変わってくるはずです。もしテーマ選びや書き方で行き詰まっているようなら、経験者に相談してみるのもひとつの選択肢ですよ。
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